動物関連ニュース'09(6)

良いニュース

読売新聞より

動物と交流 リラックス

 かわいいペットと触れ合うと、心も体もリラックスする。動物には、人を癒やす力があるの?

脳が活性化?


 ボランティアのサポートで犬と触れあうと、お年寄りの顔から自然に笑みがこぼれた(横浜市旭区の「旭ホーム」で)=菅野靖撮影

 横浜市の特別養護老人ホーム「旭ホーム」に毎月1度、
日本動物病院福祉協会(東京都新宿区)に所属する動物病院のスタッフと動物が訪れる。

 「俺は犬が大好きなんだ。若い時には10匹くらい飼ったもんさ」。
車いすに座ったお年寄りは、チワワをひざにのせてもらうと、うれしそうに話し始めた。
20人ほどのお年寄りが、猫やウサギをそっとなでたり、ハムスターを間近で眺めたり、
思い思いに動物たちとの触れ合いを楽しんでいる。

 動物との交流を始めたのはざっと20年前だ。
脳梗塞(こうそく)の後遺症の残る人が、不自由な手で犬をなで、
ほとんど表情のなかった認知症の人が、ウサギを抱いてほほ笑む。
漆原恵利子施設長は「動物に触れた時の笑顔は格別です。
普段とは異なる刺激を五感で受け取り、脳が活性化するのでは」と話す。

「幸せホルモン」

 生活に彩りを与えてくれる愛らしい動物との触れ合い。果たして健康づくりにも役立つのだろうか。

 麻布大学獣医学部の太田光明教授(ヒトと動物の関係学)に疑問をぶつけてみると、
「動物と接することが健康によいのは、これまでの研究によって明らかです」と、太鼓判を押してくれた。

 米・カリフォルニア大学ロサンゼルス校の研究では、犬を飼う高齢者は、
飼っていない高齢者より病院への通院回数が少なかった。英・ケンブリッジ大でも、
犬、猫を飼うことで、風邪や消化不良など軽度の健康問題が減少するという研究結果が得られている。

 例えば犬を飼えば、散歩に連れて出たり一緒に遊んだりする。結構な運動になることだろう。

 ところが、そのほかにどんな作用で心身によい効果が現れるのか、残念ながらはっきりとはしていない。
有力な説の一つで太田教授らが注目するのが、オキシトシンというホルモンの働きだ。

 オキシトシンには、出産時の陣痛や母乳の分泌を促すなどの作用があり、
男性の体内にも存在することがわかっている。安らぎや信頼感、幸福感をもたらすので、
別名、「幸せホルモン」。ストレスを軽減する効果が期待されている。

 太田教授らが愛犬家を対象に行った研究では、犬と遊ぶことで飼い主の体内でオキシトシンの分泌が促され、
飼い犬との関係が良好であればあるほど、その分泌も活発であることがわかった。

 「飼い主が自分勝手に触ればいいわけではありません。
動物にも心地よさを感じさせる関係があってこその健康効果なのです」と太田教授。
動物を眺めるだけでも血圧が下がるという。この週末にでも早速、動物園にお出かけになってみては?(飯田祐子)

無理に触らない

 実際に動物と触れ合う際の注意点を、日本動物病院福祉協会監事の水谷渉・獣医師に聞いた。
「動物が嫌がる時は、無理に触らないこと」。尾や腹など、特定の部位に触られるのを嫌がる場合もある。

 動物が不快な状態を我慢していると、「ストレスサイン」が現れる。犬と猫の主なサインを表にした。
個体差もあるが、普段と違う点がないか、よく観察しよう。

 感染症や寄生虫など、動物から人間にうつる病気もある。動物に触った後は、手洗いを忘れずに。
どんなにかわいくても、キスは絶対に避けた方がよい。

(2009年10月15日  読売新聞)

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