動物関連ニュース'09(5)

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【北陸発】北陸中日新聞より

犬猫 富山県、引き取り有料化 保健所など10月から

2009年9月23日

運良く殺処分を免れた雑種犬。しつけの訓練を受けた後、新たな飼い主が見つかるのを待つ=富山県立山町利田の県動物管理センターで

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殺処分 『少しでも減らせれば』

 自宅で飼えなくなったなどの理由で手放される犬猫。富山県はこれまで各地の保健所などで、
こうした犬、猫の引き取りに無料で応じてきたが、十月から手数料を徴収する。
背後にあるのは毎年多くの命が処分されている悲しい現実だ。
飼い主のモラルが少しでも高まるきっかけになれば、と関係者は期待する。(黒部・平井剛)

 「餌はちゃんと食べているか?」。常願寺川公園に隣接する立山町利田の県動物管理センター。
広田昌幸所長(54)はケージの中にいる雑種犬を心配そうにのぞきこんだ。
手を差し伸べると、しっぽを振って喜ぶが、呼び名はない。
「新たな飼い主が見つかった時に名前を付けてもらうためです」と広田所長。

 この雑種犬は幸運な一匹だ。
県内の保健所や厚生センターを通じて飼い主などが持ち込んだ犬のうち、
病気がなく、性格の良い犬だけが殺処分を免れ、譲渡に回される。
職員からしつけの訓練を受けた後、新たな飼い主が現れるのを待つのだ。

 だが、こうした例はほんのわずか。
ほえたり、かみついたりする犬は除外。猫に限っては、引き取った九割以上が殺処分されている。

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 「無責任な飼い主から命ある動物をタダで引き取った上、税金で処分するのか」。
県の取り組みに対し、動物愛護団体からは批判が多かった。
新潟県が一九七七(昭和五十二)年に全国で最初に引き取り手数料を徴収して以降、
既に三十五都道府県が有料化を実施しているためだ。

 富山県生活衛生課は「有料化すれば、山などに犬猫を放置する人がかえって増える懸念があった」と説明する。
だが、昨年十月から徴収を始めた石川県薬事衛生課は「有料化されて放置が増えたという数字は、
今のところ確認していない」とそうした不安を一蹴(いっしゅう)する。

 一方で、有料化されても「施設に持ち込まれる犬猫が即座に減るとは考えにくい」と関係者は口をそろえる。
引き取り手数料は、生後九十日以内の犬猫が一匹四百円、九十一日以上でも同二千円と負担が小さいからだ。

 それでも有料化を訴え続けてきた北日本動物福祉協会(富山市)の村田美南子代表(67)は
「殺処分される犬猫を減らすための『小さな一歩』になる」と期待する。
村田代表は「本来は飼い主が最後まで責任を持って面倒をみなければならない大切な命。
やむを得ずに手放す場合でも、その重みを少しは感じてもらえる」と話す。

 犬については積極的に譲渡を働き掛けてきた結果、近年は殺処分が減っている。
だが、猫は依然として多い。獣医師の資格も持つ広田所長は訴える。
「処分される犬猫の鳴き声が忘れられない職員もいる。こうした悲劇を少しでも減らしたいのです」

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